歴史の終わり

フランシス・フクヤマの著書、歴史の終わりは1992年刊行。

ニーチェは近代の奴隷道徳の台頭に対して、貴族道徳の復活をラディカルに説いた思想家なので、この「最後の人間」を否定的、侮蔑的に語っている。「最後の人間」は気高い貴族的精神を失い、命がけで戦う信念も勇気も持たずに付和雷同的に周囲に同調して媚びへつらい、目先の利益には聡いブルジョワ的な小利口な人間であり、軽蔑すべき畜群である。だから翻訳者によっては、ラストマンのことを「末人」「おしまいの人間」などと翻訳している。しかし、フクヤマの使う「最後の人間」という用語にはそういう侮蔑的なニュアンスはなく、単純に歴史の最終段階に出現した人間だから、「最後の人間」と呼んでいる。

民主主義は国民の平等を説いた。この世に奴隷はなく、みな人間としての名誉を認められた。しかし、「普遍的な認知」というものが果たして意味を持ちうるのか? すべての人間が平等に価値があるのなら、すべての人間には平等に価値がないとも言い換えられるのではないか? キリスト教は普遍愛を説くが、すべてを愛するということは、逆に言えば何も愛していないというニヒリズムでもあるのではないか? ニーチェはブルジョワ民主主義の平等主義、価値相対主義のニヒリズムを指摘した。これは本質的な矛盾であるがゆえに、永遠に民主主義に付きまとう矛盾である。それがゆえに、ニーチェの近代批判はマルクスよりも本質的で、根源的だった。

阪急電車

「阪急電車」は、有川浩の短編小説集。

兵庫県宝塚市の阪急宝塚駅から兵庫県西宮市の西宮北口駅を経て阪急今津駅までを結ぶ阪急今津線。

阪急神戸本線との接続駅であり運転系統が分割される西宮北口駅から宝塚駅までは、所要わずか14分のミニ路線だ。

この作品はその宝塚 – 西宮北口間の8つの駅を舞台として、乗客が織り成す様々なエピソードを、1往復に当たる全16話で描写する。

それぞれのエピソードが後から繋がってくるのが面白い。

淡々とした日常を温かく描いている。後に映画化もされた。

レバレッジリーディング

本を多読する為に速読する。

しかし、目的は如何に本を速く読むかではなく、どれだけそのエッセンスを血肉とする事ができるか、その点にポイントを置いているのが分かり易い。

本の汚し方、レバレッジメモ、というテクニックは面白いと思った。

もちろん、ビジネス書での話。

文学は間を楽しむ、精読が相応しい。

東京飄然

町田康の東京放浪記。

飄然と旅に出る、といってもいたって近所だ。

串カツを食べる事に拘り、そうまで拘るかという位に思いつめるところなど、笑える。

平和な感じが滲み出ていてホッとする。

緩さ加減全開のエッセイだ。

東京バンドワゴン

小路幸也の連作短編推理小説シリーズ。

舞台となっているのはタイトルになっている「東京バンドワゴン」という名の下町の古本屋。明治18年創業の老舗だ。「バンドワゴン」というのは、楽隊を乗せた行列の先頭を行く車のこと。

「東京バンドワゴン」周辺で起きる「小さな謎」の巡るミステリー。誰も覚えがない百科事典が、店の棚に置かれており、さらに夕方には忽然と消える。また、店の蔵が何者かに侵入されたり、小学生の子どもたちが付け回されたり、といった物騒な出来事も起きる。

堀田家はとにかく個性的なメンバーで、そんな彼らが繰り広げる奮闘ぶりは非常に面白い。

パタゴニア

椎名誠の「パタゴニア-あるいは風とタンポポの物語」について。

パタゴニアは、南米大陸の最南端、風と氷に閉ざされた大秘境。

チリ海軍のオンボロ軍艦で、マゼラン海峡からビーグル水道へ、そしていよいよ吠える海、ドレーク海峡へ。
海の男たちでさえ船酔いするという厳しい船の旅。
コンドルが飛ぶ巨大な蒼空のもと、荒野をジープでひた走る内陸部の旅。
だが時折胸を塞ぐのは精神的危機に陥った妻の面影だった。

サブタイトルが、パタゴニアに居ながらにして心は日本に少し傾いている、という部分を、副題の「風」「タンポポ」に感じる。

悩みながら旅を続ける所に、他の椎名誠の作品とはまた違った繊細さを感じさせる作品だ。

古典

古事記は太安万侶が、稗田阿礼のそらんじていた古伝承を筆録したもの。内容は神代から推古朝に至る神話・伝説・歌謡など。

奈良時代には他に風土記や万葉集などがある。

平安時代に入るとかなり多くの古典があり、一つ一つを紐解くのは本当に大変だ。

シャウト!金髪先生

ドリアン助川による、ロックを題材に英語やアーティスト自身、当時の時代背景などを学べる。

テレ朝系で深夜に放送していた金髪先生からいくつかのアーティストをピックアップしてまとめたもの。

番組は大変面白く、30分にロックの面白さ、学ぶ楽しさが凝縮されていた。

こんなに優れた深夜バラエティーもなかったと思う。

企業参謀

大前研一の企業参謀が出版、ヒットしなかったらマッキンゼーの東京事務所は閉鎖の危機だったらしい。

これをきっかけにコンサルの注文が殺到したとのことだ。

何がビジネスを変えるか、本当に分からないものだ。

アラン・ポー

ポーの怪奇小説には、不気味なイラストがよく似合う。

黒猫、アッシャー家の崩壊、モルグ街の殺人などが代表作だが、モレラも怖くて良い。

ポー独自の視点というのがあり、ひたすらダークな中に実はユーモアもあったりする。

イマジネーションを掻き立てられる作家だ。

だからこそ、彼の作品を題材に音楽作品も沢山作られている。

そのポー自身も、謎の死を遂げている。