東京バンドワゴン

小路幸也の連作短編推理小説シリーズ。

舞台となっているのはタイトルになっている「東京バンドワゴン」という名の下町の古本屋。明治18年創業の老舗だ。「バンドワゴン」というのは、楽隊を乗せた行列の先頭を行く車のこと。

「東京バンドワゴン」周辺で起きる「小さな謎」の巡るミステリー。誰も覚えがない百科事典が、店の棚に置かれており、さらに夕方には忽然と消える。また、店の蔵が何者かに侵入されたり、小学生の子どもたちが付け回されたり、といった物騒な出来事も起きる。

堀田家はとにかく個性的なメンバーで、そんな彼らが繰り広げる奮闘ぶりは非常に面白い。

パタゴニア

椎名誠の「パタゴニア-あるいは風とタンポポの物語」について。

パタゴニアは、南米大陸の最南端、風と氷に閉ざされた大秘境。

チリ海軍のオンボロ軍艦で、マゼラン海峡からビーグル水道へ、そしていよいよ吠える海、ドレーク海峡へ。
海の男たちでさえ船酔いするという厳しい船の旅。
コンドルが飛ぶ巨大な蒼空のもと、荒野をジープでひた走る内陸部の旅。
だが時折胸を塞ぐのは精神的危機に陥った妻の面影だった。

サブタイトルが、パタゴニアに居ながらにして心は日本に少し傾いている、という部分を、副題の「風」「タンポポ」に感じる。

悩みながら旅を続ける所に、他の椎名誠の作品とはまた違った繊細さを感じさせる作品だ。

古典

古事記は太安万侶が、稗田阿礼のそらんじていた古伝承を筆録したもの。内容は神代から推古朝に至る神話・伝説・歌謡など。

奈良時代には他に風土記や万葉集などがある。

平安時代に入るとかなり多くの古典があり、一つ一つを紐解くのは本当に大変だ。

シャウト!金髪先生

ドリアン助川による、ロックを題材に英語やアーティスト自身、当時の時代背景などを学べる。

テレ朝系で深夜に放送していた金髪先生からいくつかのアーティストをピックアップしてまとめたもの。

番組は大変面白く、30分にロックの面白さ、学ぶ楽しさが凝縮されていた。

こんなに優れた深夜バラエティーもなかったと思う。

企業参謀

大前研一の企業参謀が出版、ヒットしなかったらマッキンゼーの東京事務所は閉鎖の危機だったらしい。

これをきっかけにコンサルの注文が殺到したとのことだ。

何がビジネスを変えるか、本当に分からないものだ。

アラン・ポー

ポーの怪奇小説には、不気味なイラストがよく似合う。

黒猫、アッシャー家の崩壊、モルグ街の殺人などが代表作だが、モレラも怖くて良い。

ポー独自の視点というのがあり、ひたすらダークな中に実はユーモアもあったりする。

イマジネーションを掻き立てられる作家だ。

だからこそ、彼の作品を題材に音楽作品も沢山作られている。

そのポー自身も、謎の死を遂げている。

 

デュ・モーリア

デュ・モーリアの「レベッカ」は高貴の狂気といった感じだ。

淡々とした怖さ。憎悪がこれでもかと押し寄せてくる怖さ。

ヒッチコックが映画化している。

デュ・モーリアのヒッチコック映画と言えば、「鳥」の方が有名だが、このレベッカも相当なものだ。

恐ろしい・・・。

セールスマンの死

痛々しい程、悲しい戯曲だ。

60歳を超えたセールスマンのウィリー。

固定給がつかず、歩合のみでありながら成績が芳しくなく、借金もしている。

家族との不和も抱え、救いがない。

この様な状況は容易に考えられ、しかも抜け出す道がない。

いきつく所は一つしかなかった。

無念だけが残る話。

インザプール

奥田英朗の伊良部シリーズは、脱力感があって良いと思う。

精神科医としての対処の仕方が、思い切り風変わりで、それでいて最後は納得させられてしまう。
患者の症状は、決して笑えるものではなくシリアスなのだが、
何とも荒唐無稽な治療が、笑わせてくれてしかも後味が良い。
こういうスタンスの精神科医が居ても良いのにな、と思わせてくれる。

http://www.windowsonthecumberland.com/