琵琶湖に黒い羽の水鳥が急増

黒い羽の水鳥「オオバン」が琵琶湖周辺で急増していることが滋賀県の一斉調査で分かったそうだ。
今冬は約10年前の3倍近くにあたる約6万羽の生息地を確認。日本で越冬したオオバンの6割が琵琶湖に集中していると推測され、増加分の多くは中国からの「移住組」とみられるという。現状では他の生物が食べないような外来植物を好んでエサにしているが、本来は雑食性のため、急激に増えたオオバンの食生活が湖の生態系に及ぼす影響は不明で、専門家らは事態の推移を見守っているとのこと。
オオバンはツルの仲間で、全長30~40センチの真っ黒な体と白いくちばしが特徴。ユーラシア大陸の北部などに広く生息し、冬になると南下するという。国内にも繁殖地や越冬地があり、各地で増加傾向にある一方、水辺の環境変化などから埼玉県では「絶滅危惧IA類」に、京都では「準絶滅危惧種」、奈良では「希少種」に指定されているそうだ。
滋賀県が今年1月、琵琶湖岸を中心に県内全域で実施した水鳥一斉調査では、過去最多となる6万271羽が確認されたそうだ。9年前の平成18年と比べて2.7倍に増え、今年の調査で確認された全水鳥の生息数の3分の1以上をオオバンが占めたとのこと。
琵琶湖では大津市や草津市など南部を中心に各地の湖岸で無数の黒い塊が水面に浮かぶ不気味な様子が越冬時期の日常的な光景になっているという。
専門家は、1990年代後半に中国南部で大規模な洪水が起きて以降、その地域で越冬していた集団がそこを離れていき場を求め、エサの豊富な琵琶湖へ越冬場所を徐々に定着させていったのではと推測している。
エサについてはオオカナダモの茎やキショウブの新芽など他の鳥が食べない外来植物を主に食べているそうだ。
長期的には、数の増えたオオバンが湖の生態系に与える影響は分からないそうだ。今後の動向を見守っていく必要がありそうだ。